鉄砲という言葉を聞いて、みなさんどのようなイメージを持たれますか。
怖い、危ない、戦争…などマイナスイメージを持たれる方が、けっこういらっしゃるのではないでしょうか。
日本では馴染みの薄い銃ですが、ヨーロッパではクレー射撃は紳士的なスポーツとして嗜まれています。
また、狩りも古来から人々の営みには欠かせないものでした。
そんな射撃と狩猟について、簡単にご説明いたします。
クレー射撃とは
クレー射撃とは、散弾銃を用いて飛んでくるクレー(素焼きの皿)を打ち落としていくスポーツ競技で、オリンピックの公式種目にもなっています。
クレー射撃には主にトラップとスキートという2つの競技があります。
トラップは、射手が横一線に配置された5箇所の射台を、順に移動しながら1ラウンドにつき25枚の皿を撃っていくものです。クレーは手前から奥に向かって3方向にランダムに放出されます。射手は1枚のクレーに対して2発で撃破することが求められます。
一方スキートは、直径約36 mの半円形に配置された射台から射撃を行います。クレーは1枚もしくは2枚同時に左右方向に放出され、射手は1枚のクレーに対して1発しか撃つことはできません。
この2つの競技は、使用する銃、ルールや求められる技術も違ってきますし、ひたすら腕を磨き大会入賞を狙う方、狩猟のための練習に通う方、など楽しみ方も様々です。
銃砲スポーツは敷居が高いと感じる方も多いかもしれませんが、まずは思い切ってこの世界に飛び込んでみましょう!
射撃関連外部リンク集
狩猟文化の危機
ここ数年で、ジビエ(狩猟で得た野生の鳥獣の食肉)料理、狩りガールといったワードがよく聞かれるようになり、また狩猟をテーマにした漫画のヒットなどで、猟の世界について興味を持たれている方は意外と多いのではないでしょうか。
しかし現実には、高齢化にともないハンターの数は年々減少を続けています。
そして一方では、野生動物は増加の一途を辿り、近年農村部では農作物を荒らされる鳥獣被害がかなり深刻なものとなっています。
平成24年度の調査では、全国で230億円、ここ青森県では6億8千万円の農作物被害が出ています。
これまで長い間、人間は山に入り森の手入れをし、動物を狩り、常に自然と関わり介入しながらうまく共存をしていました。
ところが近年ではその微妙なバランスが崩れつつあるようです。
北上を続けついに青森県内各所で目撃されるようになったニホンジカに、里に下りて農作物を荒らすニホンザルの群れ、山菜取りシーズンに頻繁にニュースで取り上げられていた熊騒動も、記憶に新しいところです。
害獣の全国の推定生息数(2012年)は、イノシシが約88万頭、シカは約249万頭。
20年前の数字と比べると数倍に膨れ上がっています。
これらの動物による被害は、農作物だけではありません。
全国規模でみると圧倒的に多い、シカによる食害も深刻です。
林床植物や高山植物の過剰な摂食により、草木が枯れ表土が露出したり、高山ではお花畑が消滅してしまいます。
またシカによって樹皮を剥がされた木はじきに枯れてしまい、林業にも大きなダメージを与えます。
イノシシは現在生息域が大館~盛岡ラインにまで北上しており、シカも青森県内で目撃されるようになった今、もはや対岸の火事ではありません。
将来の狩猟の担い手の育成が早急に求められています。
狩猟関係外部リンク集
農林水産省サイト(鳥獣被害に関する様々な資料やパンフレットが閲覧できます)